若くして夫を亡くした妻からの相談(義母・義妹・子二人の事例)

相談者とその周辺事情

相続手続きに80万円は高かった!(今回は自分で・・・)

平成13年に夫が若くして他界(享年45歳)。さらに5年後の平成18年に舅(夫の父)が亡くなった。土地の名義は、まだ義父名義とのこと。

亡き夫の死亡時に、相続手続き(名義変更等)に、約80万円もかかった。
今回は、自分で手続きをしたいので、教えて欲しいとのことだった。

夫は区役所出身!知り合いも多いから大丈夫・・・

和子さんの夫は、生前東京の区役所に勤務で、役所には知り合いが多い。依頼するつもりはないから、手続きだけ教えて欲しいとの相談だった。

※気になったのは、義理の妹(亡き夫の妹)である恵子さんの存在。
それとなく、和子さんと(亡き夫の妹)恵子さんの関係をたずねてみると、「うちは実の姉妹より仲良いくらいだから大丈夫!」とのこと・・・

<ポイント>財産がない人こそ要注意!

一般的に言われる
『うちはお金がないから相続は関係ない』
『うちの兄弟は仲がいいから相続でもめる心配はない』

このような認識は、相続実務に触れてみると全くの誤りと言わざるを得ません。結論から言えば『財産が少ないからこそもめる』または『兄弟仲が良い人こそ遺言などで対策を取るべき』なのです。

本事例の結末

大きかった親の存在・・・

本事例の結末はどうなったか・・・
和子さんが手続きに時間がかかっている間に、義母・ヨネさんが死去。

推定相続人が変わって・・・

推定相続人=武(長男)・・・600万円
      健二(二男)・・・600万円
      恵子(義妹)・・・1,200万円

嫁である和子さんの取り分がゼロと言う事態になってしまいました・・・

義妹・恵子さんの夫が経営する飲食店も、不景気で経営が悪化・・・
恵子さん夫婦は、負債の整理のため、亡父の名義である不動産(家・土地)の売却を主張・・・(売ってお金を支払って欲しい)

親の世話は、和子さんに任せっきりだったとはいえ、恵子さんは実の子!(法律上は、恵子さんの相続分1,200万円を、子供たちが払えない限り、土地と家は売るしかない・・・)

手続きするだけの専門家なんていらない!

結論から言えば、和子さんの夫が亡くなった時点で、担当した専門家は依頼された手続きをするだけでなく、適切なアドバイスをすべきでした。

どこかで和子さんに財産を残していたら・・・

夫の嫁として義父母の身の回りの世話をしていた和子さんと、近くにいながら親の面倒はほとんどみなかった義理の妹・恵子さん・・・

ちなみに、
法定相続人でない和子さんに財産を残しておこうと思ったら、方法は遺言のみです。

チャンスと言えば語弊がありますが、
①義父の面倒をみていた時期(遺言)
②義母・ヨネさんの自宅療養中(遺言)
③もっと言えば、夫が死去した時点で、この結末は十分に想定の範囲内でした(年齢からいっても・・・)

若くして夫に先立たれ、嫁として義父と義母の看護をし、子供たちを育て、家事を切り盛りし・・・

にもかかわらず、何一つ受けとれるものがない・・・

幸いなことに和子さんはまだまだ若かったため、再就職(パート)にも成功し、息子さん夫婦と元気に暮らしています。

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